雪と湯に浸かる

 あまり家を出ないくせに雪が降っているときには出かけるという、よくわからない人間だなと自分でも思う。家の近くはまだ積もっていなかったけれど、西の方へ行くと景色はどんどん白くなっていった。まだ可愛い程度だった雪も帰る頃にはさらに強くなって、傘をさしても真正面からもろに雪を食らうほどだった。真っ黒な格好だったために付着した雪がとても目立つ。誰かに見られることもないので、静かにさっさっと手で払った。雪のせいで40分くらい待ってようやく電車が来た。スピードが遅くてモノレールに乗っているかのような速さだった。ボロいスニーカーを履いていたために、靴は完全に浸水して指が痛いほど冷たかった。こんなに寒い日なのにどうしてコーチジャケットで出歩いているのだろうか。
 
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 乗り換えるときに電車が止まってしまい、運行再開する見込みがないとのことだったので振替輸送を使って帰った。振替輸送を使ったのは高校1年生の時以来だった。なぜそんなことを覚えているかというと、そのときは高校の入学式の翌日だったからだ。電車通学が始まるぞというときにいきなり電車が止まって、どうしたらいいんだろうかと突っ立ていた。すると「◯◯高校の人ですか?」と同じ制服を着た坊主頭の少年に声をかけられた。彼も一年生で、一緒に行きましょうということになり二人で学校へ向かった。野球部で推薦で入ったという割には大人しくて、道中あまり会話をしなかった気がする。結局、隣の駅で降りて2,30分ほど歩いた。学校に着くとなぜか自分以外は皆んな来ていた。皆んながいる中、一人でクラスに入るのが嫌だったけれど、テスト中で静かだったのでよかったと思ったが、先生に「どうしたの?」と聞かれて「◯◯駅から歩いて来ました」と言うと、なぜか笑いが起きた。それから彼と仲良くなることはなかったけれど、顔をあわせるたびに「おうー(あの時の)」と静かな挨拶を3年間交わし続けた。
 曽我部さんの「サウンドクリエイターズ・ファイル」という番組を聴きながら帰った。家に着くまで4時間近くかかったので、先々週分と先週分と合わせて3時間も聴いていた。途中電車の中で寝てしまったので、覚えていることは、ベースの田中さんが出ていてラーメンの話をたくさんしていたことと、田中さんに彼女ができないということを曽我部さんがいじっていたことと(このくだりは恒例らしい)、田中さんのラーメン好きが興じて出すことになった「きみとラーメン」という曲がとてもよかったことだ。曽我部さんが作詞・作曲で、くるりの岸田さんなども参加しているらしくメロディーがポップで好みだった。
 家に着いたらすぐに湯船に浸かった。最近は温泉に行きたいとすごく思う。