Siamese Cats’ Christmas Wish 〜その1〜

代官山はとても歩いてはいけないような感覚になる。コンプレックスを刺激されたみたいに居たたまれない気持ちになるからだ。まるで街全体からマウンティングされているかのように、実体のない何かにメンタルが押しつぶされそうになる。そそくさと俯きながらライブハウスを目指した。10分ほど歩くと会場の前には30人ほどの列ができていた。列に並ぶとちょうど入場が始まり、少し待ってから自分も中へ。一つ階を降りて地下に行くと、物販とロッカーがあったので荷物を軽くするためにロッカーに入らないものをしまった。物販ではお目当の夏目くんのZINE「東アジア巡演日記」を購入。思っていたよりもボリューミーで文庫サイズで100ページ。読むのが楽しみ。ステッカーも欲しかったけれど売り切れだった。もう一つ階を降りてステージのあるフロアへ。キャパは600人、リキッドルームくらいの大きさを予想していたからこじんまりとした印象を受けた。すでに50人くらいが前方に集団をつくっていた。自分はバンビさん側の方へ行き、誰もいない端っこの壁に寄りかかった。少し寂しくなった。自分にとってライブハウスの前方はまさに代官山のようでとても居られない。下町メンタリティーな僕にはおシャレな場所は苦しいのだ。会場では18時からパイドパイパーハウスの長門さんがDJをしていてクリスマステイストな音楽を流していた。もうすでにドリンク片手に揺られている人がいて、そのシルエットを羨ましく思った。横のスクリーンには『洗濯物をとりこまなくちゃ』のMVを担当したずっくさんとサヌキナオヤさんのユニットWHOPPERS(ワッパーズ)の可愛らしいアニメーションが映し出されている。シャムキャッツのライブは何度か来ているので見たことのある顔がちらほらいた。インスタでフォローしている人も見かけた。皆んな目が輝いていた。前に行ききらず中途半端な位置で直立している女子にキュンとした。開演までスマホをいじりながら時間を潰す。
 
開演。一番手はカネコアヤノ。退屈という言葉からライブは始まった。
 
退屈な日々に さようならを
そんなに落ち込むこともない
 
前回カネコアヤノを見たのは「NEWTOWN」というイベントだった。マイクを通さず歌う生の声がとても力強くてかっこよかった。強いのは声だけではなく目も強かった。観客の目を一人一人見ながら歌っていて、目があうとこちらもグッと力が入ってしまうような妙な緊張感があったのを覚えている。何回、目があったかわからないほどに皆んなの顔を見ていて、それもあってか時折見せる笑顔がとてもキュートだった。今日はその時と比べて笑顔が多くて楽しい雰囲気だった。また、弾き語りではなくてバンドセットだったので演奏に乗って踊っている場面もあった。綺麗なシルエットのワンピースを着てエレキギターを弾く姿がかっこよくてイケていて素敵だった。ギターの位置が高めなのもグッド。サングラスをかけていたベースの本村拓磨さんもかっこよかった。コーラスで高い声を出していたのもよかったし、弾く姿もよくてじっと見てしまった。

カジヒデキは、1曲目を演奏している時に苦笑いをしていたのでどうしたのかと思っていたら、案の定アウェイ感に戸惑っていたらしい。シャムキャッツの友達です!という掴みが面白かった。